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February 2007

February 18, 2007

ソフィア・コッポラ:『マリー・アントワネット』を観る。

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 ソフィア・コッポラの作品は、とてもハイクラス・セレブリティな感性に溢れている。

  『ロスト・イン・トランスレーション』におけるS・ヨハンソンのコケテッシュなオヤジ殺しの魅力溢れる感性も素晴らしく、女の子が一番輝く瞬間をとてもよく知り抜いていると思う。そういう感性を、若い女の子が学ぶのはとても大切であるし、いままで表現の空白地でもあっただろう現代のファッショナブルな女の子の感覚的風俗を体現している稀有な作家であることは間違いない。

 その点、最近活躍している日本の女性監督は少し偏っているし、まったくセレブ性は低い。ファッショナブルな女の子が憧れる感性とは違って、哀愁がある。(貧しい…新興劇団のトーンマナーだ)

 そういう意味では、『マリーアントワネット』は成功している。アメリカの少女は、これを観てフランスと歴史に興味を抱くと思うし、フランスPR映画としては最良の部類である。セレブリティの日常生活のように、主人公のライフスタイルを体感できるフィルムだ。しかし、確かにキルスティン・ダンストの魅力はあるけれど、それがフランス革命の断頭台に消えたマリーアントワネットと思うことは最後までできなかった。

まるでタイムスリップしたヤンキー娘がフランスの王妃になったら??という、少しお馬鹿映画の雰囲気すら漂ってしまう。それでも舞台は本物(ヴェルサイユ宮殿)だから、そこは目で楽しめるけれど。

 発想は面白いけど、何が言いたいのかとオヤジは腹が立つだろう。若い女の子に自分の大事なことを伝えたいと思っても、なかなか伝わらないときのような苛立ちがそこにある。

 まあオヤジは観ないほうが身のためだと痛感した映画でした。

※サウンドトラックはとても素晴らしい。いつも音楽のセンスはさすがです。

 
 tokyotaro


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February 15, 2007

イエロー・マジック・オーケストラ「RYDEEN 79/07」を聴く。そして思い出す日々。

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 キリンラガーのCMは僕らの世代のツボを巧くついてきた。イエロー・マジック・オーケストラ「RYDEEN 79/07」を聴くと、もう二十七年も昔の話なのだと感慨深くなる。憧れだったYMOも年をとったなと思うと同時、アレンジされることで古くならないメロディに驚嘆する。

 アジア的電子時代の夜明けを予感させる衝撃的なデビューは、まだ小学生だった僕もよく覚えている。
「コンピューター楽器だけで演奏する変わった日本のバンドが海外で反響を呼んでいるそうだよ」と音楽関係者の小父さんが言い、父が「富田さんが先駆者だよ」とか話していたのが懐かしい。
 
 中学に入ると、そこは小学生の頃考えられないほど自由な場所だった。先輩がカセットデッキをプールサイドの屋上で鳴らしながら、サンオイルをぬって日光浴をしていた。中学生なのに、『YMOはなかなかいい』とか生意気なことを言い、また突然アンプとギターを持った先輩が、屋上でライブを始めたりしていた中高生活。初期のウォークマンを聞きながら、街を歩いてプラスチックスを聞き、立花ハジメかっこいいなとか、シーナ&ロケッツの鮎川誠に憧れ、歯でギター弾くぜとか嘯く友人を馬鹿にして喧嘩したり、渋谷のレゲエ小屋を回ったり、中学生のくせに下北沢でタバコをふかし、カクテルを飲んだりした日々を思い出す。現在の管理社会とは到底異なる、自由な環境だった。そして社会は寛容だった。それはその頃の大人たちが戦争や戦後の混乱を生き抜き、本当の生の現場を体感していたからだと思う。

 先日偶然母校を訪ねると、当時の校舎が失われ、セキュリティを完備した建築に変貌していた。もはや当時の光景は喪失していた。そして僕の追憶も、荒れたノイズのなかに消えてしまうような心地がした。
 YMOを聴くと、その当時の自由を思い出す。バリケード封鎖をしていた頃の残像が残り、教師がデモをしていた時代、反体制は美学だった。

 そういう時代への郷愁はオウムの事件で抹殺され、911で決定的となった。それでも、くだらないセキュリティへの幻想より、もう一度自由の世界に回帰したい。現代の人たちは、そんなに失うのが怖いのだろうかと思うと同時に、多分僕も変わったのだろうと自問する。

 異常に潔癖な社会、セキュアな管理社会。これって1984当時、ジョージ・オーウェルが盛んに議論され、とうとう来なかった管理社会が、二十年以上遅れて到来したということなのだろうか。そんな透明性なんていらない、不透明な悪にまみれて生きたいと、子供に回帰して当時を思うたび涙が出てしまうのはなぜだろう。tokyotaro

 


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