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January 2008

January 21, 2008

グレン・グールドを聴く。生誕75周年CD80枚セットを買う。

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 グールドを聴くたび思い出すのは、友達が『ばあさんが好きだからこのレコード録ってよ』と、当時僕が愛聴していたグールドのベートーヴェンのピアノ変奏曲をダビングしたことだ。当時使っていた貧弱なオーディオ装置でダビングしたテープだった。当時使っていたアイワ製のカセットレコーダーで再生すると、若干ノイズが残っていた。が、調整が難しいので、そのままカセット・テープを友達に渡してしまった。後日、友達に大丈夫だったと訊くと、『ばあさん喜んでたよ、ありがとう』と言う。その友達の祖母は、今は故人となられた白洲正子さんであり、その芸術に対する深い見識について、当時の僕は余りにも認識が浅かった。後年僕が分別つくようになった頃には残念ながら他界され、カセット・テープを二度頼まれることはなかった。せめてカセット・テープをもうひとつランク高いメタルにすれば良かったなと、ふと悔やむことがある。まあ蓋し音楽素晴らしさと、音質は違うものなのであるが…。

 それから二十年経っても、僕はいまでもアナログレコードを聴く。またエソテリック製のワディアデジタルのDAコンバーターを搭載したCDプレイヤーを買ってからは、CDでも十二分に音楽を愉しんでいる。その他のオーディオ機器も、ソニー、マランツの廉価版、やがてセレッションのスピーカーにクオード44+405のアンプで聴いていた頃から、現在はATCのスピーカーにクレル+アキュフエーズのアンプと変遷した。いまでもアナログの馴染みの良さ、蓋し昔からの耳の慣れというか郷愁に心を揺らし、同時に明瞭な音のCDの方が優れていると感じる。気がつくと、アナログがデジタルか等と、二十年来さ迷っている。

 グレングールドの生誕75周年記念で80枚のCDセットが限定発売されたのは昨年だった。買う機会がなかったが、ようやく手に入れることが出来そうだ。80枚のコンプリートセットで3万円を切る価格はべらぼうに安い。一枚2500円も払ってLPレコード一枚を買った高校生の自分を想うと、夢のようである。すべての聴衆に最高の音楽を表現できないとライブ演奏を辞め、オーディオでの再生を最良の観客として演奏したグールド氏の全作品である。
※写真は別のLPです。
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 ぜひ手元に残っているLPレコードとCDを聞き比べて、もう一度昔を思い出してみようと思う。カセット・テープもなくなってハードディスクが記録媒体になってしまうなんて、夢にも思っていなかった昔を。

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